影絵の魅力
影絵の魅力
影絵の手法
影絵の魅力は切った線の美しさに加えて、影絵をうつしだす光の透き通るような美しさにあります。光は影を生み出す母でもあり、この光のあたたかで爽やかな透明感が、みる人々の心の中にそれぞれ夢と幻想を呼び起こしてくれます。
この影絵は木枠にトレーシングペーパーを貼ったものをベースにして、その裏表に様々な紙やフィルターを数枚から数十枚切り抜いて貼り重ねていったものです。この紙の重ね具合と光の透過度合によって微妙な階調の美しさが現出されます。
藤城清治の影絵
影絵は紙と光と切り抜く技が結集した芸術です。この紙を切り抜くのに藤城清治は初期から現在に至るまで、カッティングの大半を方刃のカミソリの刃を使っています。これが、鋭く優しい、まるで生命が存在するような独特の美しい線が生まれる秘密です。こうしてできた物に裏側からライトをあてて浮び上らせたのが、この藤城清治の影絵で、日本はもちろん世界でも全く類をみない独特のものです。この技法は昭和二十三年に『暮らしの手帖』に初めて発表されてから、半世紀以上、様々な工夫を重ねて今日の世界を確立しました。
影絵の夢幻の世界をお楽しみください。
光と影が描きだす、影絵の息を飲むような美しい夢幻の世界、心の中に吸い込まれるような『浪漫と幻想と神秘の世界』を心ゆくまで、ここ昇仙峡影絵の森美術館でゆっくりとご鑑賞下さい。